|
バレーボールの大林素子さんが、モデルとしてデビューする。そこで今回は特別サービスエース、私と彼女との交遊について。 と言っても、何も私が彼女と一戦交えたという話しではもちろんない。残念? 話は三年前、バレーボール界のごたごたに巻き込まれ、意気消沈の大林さんに!・・・五輪仲間として、一人住まいの彼女の家に!・・・・・・電話を(ガクン)かけた時のこと。マスコミで大騒ぎされ、とてもかわいそうだと思った私は、いても立ってもいられなかった。 「太田です。元気?」 低音の麗しい声を売り物にしている私は、電話での会話には自信がある。 「アッどうもお久しぶりです。元気ですよ。」 予想以上に溌剌と張りのある声。やっぱり私の声が効いたようだ。 「何か大変みたいだね。なんでも相談にのるよ。俺はいつも影で応援している。」 「ええ、ありがとうございます。心配してお電話くれる方も多いんですが、なんか興味半分の人もいて。」 何?私のほかにも電話をする奴がいる?許せねぇ。 「でも太田さんが味方だと思うと元気がでます。」 私の電話は掃き溜めに鶴の一声、やはり彼女は頼りにしていてくれたんだ。 「スポーツ選手が味方だと思うと力強いですよ。特にレスラーは。」 アッそういう意味でね。 「バレーボール以外のことは考えられないんです。引退してタレントにという話しもあるんですが。」 何とかバレーボールを続けたい一心、イタリアに渡ろうと決心したものの、経済面、生活面様々な悩みがあろうというもの。困った人には親切に、特に女性には親切に、を心がけている私が黙っているわけにはいかぬものの、考えが浮かばない。 それで話題を娘の話しに戻した。長女は当時小学6年生だったが、身長が160にもなっていた。 「でかいんだよ。俺に似ちゃって。」 いけねえ、大林さんもでかいっけ。 「ウッ、バレーボールをやらせるかな。」 ちょとしどろもどろ。 「ますます大きくなちゃいますよ。でも、スーパーモデルっていうこともありますからね。」優しい彼女が愛?の手を。 「そうだ。そうだ。その手がある。」 ほっとした瞬間、私の口から出た言葉。「そうだよ。君もバレーボールやめたら、スーパーモデルをやれば?アハハハハハ・・・」 窮地を脱することなく、私は受話器を置いた。後にはちょっぴり苦い思いが胸を突く。 そんなわけで「大林素子モデルデビュー」の一報は私には朗報だった。三年前の苦し紛れのアドバイスが彼女の心のどこかに宿っていたのだ。大林さんがバレーボールで鍛えた?キュートな笑顔と抜群のプロポーションでスーパーモデル世界一に輝くのを期待する。 そして、私は今宵もどこかで一人悩むか弱きスポーツウーマンのためにと、百円で買ったPHSのボタンを押すのである。 |
![]()