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「太田さん、プロレスラーに勝てる?」とか「太田さん、異種格闘技戦やらんですか?」とか、暴言を吐く輩がいる。編集部にもいた。「そんなに強いなら、アルティメットに!プロレスラーとも闘えば?」冗談じゃないすよ。死ぬの覚悟じゃなきゃできないすよ。 それは力自慢の男を選りすぐり、様々な力比べをやらせ、最後に綱引きでチャンピオンを争う、某テレビ局の某番組の特別編。あれです。 初代チャンピオンの私は、続く第二回でまたしても決勝まで残り、そこでプロレスラー高田延彦選手と対戦することになってしまった。初回のチャンプになった時の相手は、柔道五輪金メダリストの吉田秀彦選手。アメフトからも野球からも出場しているなみいる強豪を破ったその後にやってきたのが、決勝戦! 「太田さん。いま何歳ですか?」と私よりかなり若い吉田は決戦前にプレッシャーをかけてきた。ウッ!力比べではちょっと年齢差がきついが、格闘経験では負けてはいない。ここはひとつ頭で勝ってやるか。そう私は試合前に決めていたのだ。格闘家は試合の前から闘っているわけです。格闘技もそうなのだが、すべてのスポーツ力があればいいってもんでもない。この番組の綱引きのルールは、1対1で争うので、まさに力の勝負と見られがちだ。だが、実は頭を使って勝つこともできるのだ。 綱引きと言えば、運動会でお馴染みだが、目一杯引く力を出し切るだけが、綱引きではありません。相手が引きに入っている時に、こちらの力をちょっと緩めれば、相手は倒れる。その瞬間に一気に引っ張り込んでしまう。アマレスで学んだ引きと押しの知恵を私は利用した。そして、勝利をもぎ取った。決戦の後、私は吉田に耳元で囁いた。「力だけじゃだめよ。頭使わなきゃ。」 ところが、連続チャンプを目指した高田戦。自分が使ったテクニックを相手が使うとは思ってもいなかった。そろそろ引きを外そうと思ったところを高田選手に引っ張り込まれた。不覚を取った意識のまま、引きにいった途端相手が引きを緩めた。これで万事休す。私は破れてしまったのだ。高田なかなかやるじゃない。素直に負けを認める潔さも格闘技には重要だ。そこへ高田がきつい一発!曰く「太田さん。力つけましょうよ。」やっぱりすべて力と頭両方ないとだめってことです。 その高田延彦選手が5月4日に新団体キングダムを旗揚げした。8月15日に東京ドームでのアルティメットの精鋭ヒクソン・グレイシー戦を目指してのスタート。格闘技の中でも特にアルティメットに強い興味を抱いている私には、多いに関心のあるところ。プロレスラーで初めて!?私を破った高田選手ならばあの綱引きの極意を使った戦法で、ヒクソンに勝利を得ることができるかも知れない。でも「ひくとそん」かも? かく言う私も二度と高田選手に負けるまいとプッシュアップに余念がない。アルティメットに出るのかって?違うよ。もちろん綱引きに出るのさ。 |
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