女子アイスホッケーチーム「コリア」に期待する ~政治を超えてスポーツが実現する南北統一~

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女子アイスホッケーチーム「コリア」に期待する
~政治を超えてスポーツが実現する南北統一~

北朝鮮が平昌五輪への参加を表明し、統一コリアの旗の下入場行進をして、さらに女子アイスホッケーチームは韓国チームに北朝鮮のチームから12名の選手と1名のコーチが加わる統一チームを結成することになった。

これについて日本では「政治のスポーツ利用」「文政権の行き過ぎた北朝鮮融和策」「スポーツ的な不公平」「これまで韓国チームとして努力してきた選手が可哀そう」「形だけの統一コリアは意味がない」などと非難することがほとんどである。小論を愛読いただいている読者の中にもそうした統一コリア反対意見を持つ人もいるので、ここはもう一度、原点に戻って、スポーツ思考してみようと筆を執った。

韓国でも統一コリアの考えに反対する人々がいて、金正恩の肖像を焼くなどの暴挙が起こっているそうだ。

そこで反問したい。「統一コリアは朝鮮民族の希望ではないのですか?」近代ナショナリズムが生み出した38度線で分断された国家を再び統一することは夢ではなかったのですか?1986年に初めてソウルを訪れた私が知り合った人々のほとんどが北にいる親兄弟、親戚に自由に会える日を焦がれていた。1986年アジア大会がソウルで開催され、1988年にソウル五輪が成功するが、その間もずうっと南にいるコリアンは北のコリアンを思っていた。

統一コリアチーム

政治が実現できないものをスポーツならば実現できる!というのがオリンピズムである。過去には分断された東西ドイツが五輪で統一チームで参加してきたし、もちろん入場行進も一緒だった。彼らアスリートの優勝を称える曲は「ベートーベンの第九」だった。

少なくとも五輪の期間だけは「平和」なる社会を実現してみないか?それが完璧でなくとも少なくともそういう社会があることを我々が望んでいることを示そうではないか。それが、五輪の思いである。

統一チームを作るというのはスポーツ的にも並大抵のことではない。そのことは世界最高峰競技会レベルで統一コリアの夢を実現したのが、1991年の世界卓球選手権(千葉)だけであることからも分かる。この実現のために国際卓球連盟会長であった荻村伊智朗がした努力は相当なものであった。北と南の競技力を同等にするために当時レベルが低かった北朝鮮に何度も出向き、自ら指導し、コーチを派遣し、あるいは北朝鮮から日本での合同合宿に招待した。何年にも亙る努力の結果、北朝鮮のチームが韓国のレベルまで到達し、共に同じチームで戦う基盤が築かれ、そして、統一チーム結成に至るのであった。

故に今回の女子アイスホッケーチームの合体は余りにも早急すぎて、余りにも無理をしているのではないか?!と思われるところだ。しかしよくよく考えてみれば、スポーツは何のためにあるのか?ということである。またチームとは何かということである。

政治では果たせない統一チームの夢を女子アイスホッケーが実現し、そして、そのチームが見事なプレーを披露すれば、それは北と南の人々の心を一つにできる素晴らしい機会になるのではないか?1991年の卓球世界選手権では、女子ダブルスで競合中国を破り、堂々の優勝を果たしている。その時の感動は永遠の瞬間であったはずだ。

もちろんそれは、長年に亘る努力と準備があった上でのことだが、この短期間で、統一チームを実現するとすれば、唯一可能性のあるのは女子アイスホッケーチームであったと考える。チームゲームとしてのアイスホッケーの特性から考えると、短期間でチームを仕上げるには最も適した競技種目であるかもしれないのだ。3名の選手がグループを組んで、どんどん交代して試合が進むのであるから、その3名のチームワークが全体にフィットすればそれなりのプレーができる。ここに国際オリンピック委員会(IOC)が南北統一チームの取り決めで、北朝鮮の選手を少なくとも1試合に3名出すとしたのは、そういうゲーム特性を考慮してのことである。

統一チームになることによって、通常以上の力が発揮される可能性もある。チームの監督は韓国の監督が務める。北朝鮮の監督は北朝鮮の選手のコーディネーターにとどまる。それによって、調和のとれたチーム作りができれば期待もある。統一チームの活躍にはそれ相当の注目が集まることになり、その使命は選手自身の志を強化するだろう。それがどのような結果をだすか?

その結果が今回の統一コリアの実現の意味を明らかにするであろう。
チームになることは並大抵のことではない、しかし、チームを作るための闘いや切磋琢磨から生まれる融和は、永遠のものになることは間違いないのである。

(敬称略)

2018年1月27日

明日香 羊
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編集好奇
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北朝鮮の平昌五輪参加について、取り上げている番組はすべて統一コリアチームの実現を非難するものばかりです。彼らの意見をつきつめればナショナリズム。ナショナリズムを超えない限り平和も友好もないと思うのですが。皆様のスポーツ思考を期待しております。

春日良一

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考?ご期待
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次号はvol.379です。
(1998年からの400号を目指して あと22思考?!)

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