テコンドー協会とは何か? ~タコつぼの論理を打ち破るもの~

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テコンドー協会とは何か?
~タコつぼの論理を打ち破るもの~

全日本テコンドー協会の内紛がテレビで大々的に取り上げられて
いる。選手の強化合宿参加拒否から明るみに出たこの問題の本質
は、本来機能集団であるべき協会が擬似的血縁集団になっている
ことにある。

家長である金原会長が取り仕切る一家を維持することが目的になり
協会が果たすべきテコンドーの普及振興と競技力向上というゴール
を目指すチームになっていないことである。

その責任は一重に家長にあると言わざるを得ない。10月8日に開催
された同協会の理事会の録音がテレビで公開され、その会議の状
況が白日の下に晒された。それを聞くとまさに家長を質す女将さん
や娘の諫言に耳を傾けるどころか、怒り狂う家長の本領発揮といっ
たところだ。

協会を改善するために謝罪と辞任を求める2000年シドニー五輪銅
メダリストの岡本依子副会長の言葉は切実であるが、それを意に介
さない会長と会長派の理事たちの反論は恐ろしい。「辞めるまでの
問題なのか?」と言う発言を聞き、団体役員の無限の無責任体制の
臭いを感じ、嫌な気分になった。

テコンドーは1992年バルセロナ五輪時には、デモンストレーション競
技であったが、参加した高橋美穂理事が「選手のための理事総辞
職」を求める議論の中で、気分が悪くなり、ストレス性過呼吸で倒れ
たのも良くわかる。その倒れた高橋理事を気遣うこともなく、自分が被
害者のように「俺も倒れようかな」という会長には良識は言葉がないだ
ろう。

協会主催の強化合宿に参加しないとした選手が大多数という異常
事態に「大したことはない、自分たちのできることをやればいいだけ」
という認識。テコンドー家が安泰ならば何も問題ないと言っているの
と同じである。それに対して岡本、高橋両理事は選手のための機能
集団にならなければならないと言っているのであり、外から見ていれ
どちらが正論か分かるが、テコンドー家というタコつぼに入ってしま
うとその中の論理しか成立しない。

タコつぼの中ではタコつぼを維持することが正しいのであり、それを
壊して、世界に向って戦うことは造反であり、「非常識」な行為なので
ある。

選手のために機能しない集団をスポーツ団体と定義することはでき
ないのであり、このタコつぼを破壊するのは外部の力以外にはない。

その正当な力を有するものは何かと問えば、それはスポーツ庁でも
文部科学省でもなく、日本のオリンピック運動を司る日本オリンピック
委員会(JOC)以外にはない。

なぜなら、スポーツは自律を重んじなければならず、自らが自らを治
める基本を守らなければならない。国からの統治は回避しなければ
ならないからだ。

早速、山下泰裕JOC会長は松本まで下り、金原会長に談判している。
さすがに積極的な動きだ。しかし、その会談日が10月4日であったが
8日の理事会で出した強化委員刷新と選手の望むセコンド任命など
は、JOCが求めた選手のための事態収拾であるが、その中身は、こ
れまで選手を無視してきた考えを反省している内容ではない。

選手第一主義をタコつぼの外に対して演じているが、タコつぼ維持
の論理を変えていない。であれば、問題解決にはならない。

その点をJOCは鋭利な頭脳で見極めて、何らかのリコメンデーション
を公表すべきではないか。その指針が一般社団法人全日本テコンド
ー協会の正会員の良識が動き出すきっかけとなるだろう。

支配しないリーダーシップを今こそJOCは発揮すべきだ。まさに嘉納
治五郎の「逆らわずして勝つ」柔道の見せどころである。

(一部敬称略)

2019年10月10日

明日香 羊
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編集好奇
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10月10日は本当は体育の日だ。
ハッピーマンデー法が2000年に制定され、
10月の第2月曜日が体育の日となってしまった。
そもそもが、1964年の東京五輪の開会式の日を
記念した祝日であるから、10月10日でなければ意味がない。
天皇誕生日がハッピーマンデー法に支配されるだろうか?
テコンドーが五輪正式競技になったのも2000年、シドニー五輪だ。
間違った決心だったかもしれない。
超大型台風19号が接近している。
10月10日は晴天だったが・・・

春日良一

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