JOCは火中の栗を拾わねばならぬ 〜ボブスレー日本、五輪参加できずの問題〜
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JOCは火中の栗を拾わねばならぬ
〜ボブスレー日本、五輪参加できずの問題〜
新年早々驚くべきニュースが入ってきた。
まもなく開催されるミラノコルティナ冬季五輪に参加を目指していた日本のボブスレー選手がエントリーできないことが判明したのだ。
日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟が13日発表したところによるとボブスレー男子2人乗り出場枠を獲得する条件の解釈を誤り、出場の可能性が消滅した。
日本が目指していた男子2人乗りの出場枠は2人乗りと4人乗りの国際大会の成績を合算したランキングで決める方式に一昨年変更されていたが、日本連盟はそれを見落とし、4人乗りの世界大会参加を実施していなかったのである。
五輪の参加資格は国際オリンピック委員会(IOC)とそれぞれの競技を世界的に統括する国際競技連盟(IF)とが決める。世界ランキングがベースになるので、大会の2年前には方針が出て、ランキングポイントの対象となる大会と五輪参加資格獲得方法が明らかになる。
五輪は各国のオリンピック委員会(NOC)が代表選手団を派遣する権利を有しているので、それぞれのIFに所属する各国の国内競技連盟は自らの団体に所属する選手の五輪参加のための条件を整え、選手育成に励み、選手を選考し、NOCに届け出る。
NOCは推薦された選手を競技力基準や倫理要綱に基づいて日本代表選手団の一員として認めると、大会組織委員会から配布されるエントリーフォームに従って各選手をエントリーする。
このエントリーにはNOCが全責任を負うのであり、選手の氏名のスペルが一つ違っていただけでもエントリーが成立せず、その選手が参加できないことになるので、大変神経を使う大仕事である。
日本オリンピック委員会(JOC)時代のこの作業を想起すると、最も重要なミスの許されない作業に全力で取り組んでいた日々が甦る。
このエントリーに至るまでに各競技団体がやらなければならない仕事こそ、五輪参加資格要件の確認なのである。
それぞれの競技の参加資格を得るための予選情報を正確に把握し、それをクリアするために予選となる世界大会への選手派遣を計画、実施するのは各競技団体の最も基礎的で最も根本的な仕事である。
今回の事件は、その基礎の基礎、競技団体が存立する根拠となる仕事を放棄していた結果である。
本件について、フジテレビ(めざまてれび)で解説を依頼されたが、「考えられない」としか言いようもなかった。
選手第一主義(アスリートファースト)とIOCやJOCが常日頃から訴えるのは、選手のために協会や団体が存在していることを忘れるな!という警鐘なのだが、日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟にそれがなかったと言うことが明らかになった。
団体としてその長にあるものが責任を取るべき問題である。
にもかかわらず、連盟関係者が「残念な知らせを届ける形になってしまい、ここまでのチャレンジに心血を注いでくださった選手の方々に深くおわびを申し上げる」と頭を下げただけである。
15日、連盟では選手に補償する方針を理事会が決めたとのことだが、五輪参加を諦めさせざるを得なかった責任をどう取るのかが示されない限り、補償のしようもないであろう。
競技団体としてのあり方を根本的に問い革新しなければならない。
JOC強化本部長は
「本会は、同連盟からの報告を受け、直ちに事実関係の確認と適切な情報開示、そして何よりアスリート、関係者への丁寧なフォローアップと、再発防止に向けた対策の立案を指示いたしました」
と遺憾の意を表明しているが、ここで指摘されていることは競技団体のイロハであり、JOCの加盟団体としてこの連盟が認められている前提条件である。
加盟団体規定が「代表選手選考の判断基準を客観化し、代表選手選考の透明性を高めること」(第9条第4項)と定めているのは国内選考を頭に置いているのだろうが、その前に世界大会でのポイント獲得が必要となるのであり、その情報収集が競技団体の一丁目一番地である。

それができていないことの責任を団体の長に問うべきであろう。
橋本JOC会長は14日、「おわび申し上げ、信頼回復に努めたい」と陳謝し、競技団体と連携して再発防止を図る方針を日本スポーツ協会の理事会で言及したとのことだが、何に対して詫びるのか?私にはわからない。
詫びるべきは詫びるが詫びる必要のないことに詫びるのは真実を遠のかせる。
今回の責任は一重に参加資格条件を理解していなかった競技団体にあり、JOCにはエントリー上の責任は一切ない。あるとすれば、そのようなアドミニストレーションができない団体を加盟団体として認めていたことである。
それについての謝罪であれば早速、加盟団体規定第17条にある加盟団体の長との会議を開き日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟の刷新を求めるべきだ。
その長はと調べてみて驚いた。
冬季競技の振興に長年勤めてきた北野建設の社長ではないか?
しかもその方はJOCの副会長に就任されている。
東京五輪組織委会長に続いて橋本聖子はまた火中の栗を拾わなければならない。
(敬称略)
2026年1月18日
明日香 羊
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編集好奇
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木村和司がサッカー教室の初蹴りに出てくると言うので、私も久々に会いに行った。
前号で吐露した通り、和司ファミリーとは長いお付き合いである。
https://genkina-atelier.com/sp/index.php?QBlog-20251228-1
久々の和司は車椅子であったが、サッカーが始まるとその目は輝いた。
傍には裕子夫人。長い介護生活を語る。私から見れば辛い日々だろうに、
とても明るく楽しそうなのだ。
和司に「わかる?」と問うと、ニコッとして頷いた。
可愛かった。清々しい感動の1日だった。
20日火曜日発売の光文社フラッシュに記事が掲載されます。
https://smart-flash.jp/sports/387523/?rf=2#google_vignette
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古希の旅 琴平慕情 初の小説的紀行文 必見!
https://note.com/olympism/n/n935d8b2c4f3d
橋本聖子が新会長 JOCにいま何が?(日刊ゲンダイ) 春日にしか書けない深層
https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/5337
「2024パリ大会 徹底、実践五輪批判」日刊ゲンダイ連載、全18話
https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/4728/495
YouTube Channel「春日良一の哲学するスポーツ」は下記から
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次号はvol.545です。
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