FIFAワールドカップ2026をオリンピズムから思考する(2) 〜メキシコvs韓国、「ともに」の考察〜

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FIFAワールドカップ2026をオリンピズムから思考する(2)
〜メキシコvs韓国、「ともに」の考察〜

6月18日、メキシコのグアダラハラで行われたメキシコと韓国の試合は両軍好攻守を繰り広げる展開となった。

残念ながら韓国は“ふたつのジンクス”を打破できなかった。ひとつは、ワールドカップ(W杯)における対メキシコ戦の敗北。1998年大会(1-3)と2018年大会(1-2)。

そして、W杯グループリーグの第2戦での未勝利。これまで4分7敗である。

この試合から韓国の敗北をスポーツ思考する。
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この試合唯一のゴールは事故?!だった。前半50分、韓国ゴール前に上がったボールを韓国GKキムスンギュが掴もうとジャンプ、前にいた味方MFとぶつかりボールがこぼれた。

そのこぼれたボールに気づいたメキシコのMFルイス・ロモが振り返りざまゴールに向けてそのボールを蹴った。自然な流れだった。こういう時にミスはない。

それまで韓国G Kは堅守を貫いていただけに驚きの瞬間だった。

韓国とメキシコ W杯 2026-06-21 11

韓国ホン・ミョンボ監督は通算10回「アジア最高の選手」に選らばれているソン・フンミンを交代させるなど積極的攻撃に出た。しかし何度もゴールに絡んだが得点できなかった。

中でも後半42分、左サイドの韓国MFオム・チソンからのクロスに対して、二人の選手が飛び込んだシーンは決定的に見えた。FWチョ・ギュソンがやや中央寄りで飛び込んでヘディングシュート、メキシコGKラウール・ランヘルがこれを右足で弾く。そのこぼれ球をMFヤン・ヒョンジュンが押し込もうとしたが、ラウールの右手が伸びた。

GKの攻守が評価される場面だった。

前半のメキシコのゴールとこの後半のこのシーンに韓国が勝てなかった本質がある。メキシコにゴールを奪われた失点とメキシコのゴールを奪えなかった失点(点を取ることができなかったという意味)に韓国選手の儒教思想が絡んで見えた。

それはヘゲモニック・マスキュリニティ(覇権的男性性)とも捉えられる。この危機的シーンに「我こそは!」と臨戦する。この絶好機に「我こそは!」と挑む。

「俺が、俺が」の力が重なり合って、前半の失点と後半の無得点を生んだ。

さらに凝視すれば、韓国MFヤン・ヒョンジュンとメキシコDFヘスス・ガジャルドのシーンもメッセージがある。ピッチに倒れ込んだ前者に後者が手を差し伸べたシーンが画面に大きく映し出された。ヤンは差し出された手を自然に握ろうと手を伸ばしたが、それが相手選手の手だと分かると手を引っ込めた。

対戦相手を敵としか見ていないことが顕現した。

オリンピックでは勝敗を超えた相互のリスペクトに焦点が当てられる。スケートボードでは難易度の高い技に挑む選手たちがそのゴールを目指す仲間として競い合う。ミラノ・コルティナ冬季五輪で初登場したフリースタイルのデュアルモーグルでは、競い合ってゴールした二人の選手が、直後にハグし合い、お互いを讃える。

ゴールを目指して激しく闘うサッカーでも、その相手は違うゴールを目指しているようで、実はそれぞれ自らのチームの「より速く、より高く、より強く」を目指す同じ仲間なのだ。

それが理解できているチームが恐らく今次W杯を制するであろう。

2021年からオリンピックモットーの「より速く、より高く、より強く」に「ともに」が加えられている。

(敬称略)

2026年6月21日

明日香 羊
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編集好奇
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あと一時間もするとチュニジアと日本の闘いが始まります。サムライブルーを応援するのはもちろんですが、「ともに」競い合っている選手たちに、「ともに」世界平和を目指す姿を凝視するつもりです。
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「新・実践五輪批判」連載完結!
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ミラノコルティナ冬季五輪を機に地政学的な視点にオリンピズムのプリズムを入れて世界を見るという哲学的挑戦をしております。どうぞご高覧ください。

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