FIFAワールドカップ2026をオリンピズムから思考する(4) 〜スウェーデンvs日本、引き分けがくれた日本サッカー感謝の旅〜
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FIFAワールドカップ2026をオリンピズムから思考する(4)
〜スウェーデンvs日本、引き分けがくれた日本サッカー感謝の旅〜
6月26日、ダラスで行われた日本とスウェーデンの試合は1−1で引き分け。なぜ日本は引き分けたのか?日本はグループリーグF組2位となり、決勝トーナメント進出を決めた。が、結果、トーナメント初戦をサッカー王国ブラジルと戦うことになった。引き分けには日本サッカーへのメッセージが込められているはずだ。
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スウェーデンと日本の戦い。日本の勝利を願ってはいたが、優勝を狙う日本は冨安と佐野を温存して戦った。この試合は負けさえしなければ、決勝トーナメントに進めることを森保ジャパンは心の底に留めていた。その上で、次の戦いを準備しなければならないとすれば、王国ブラジルと新進気鋭の強国モロッコどちらにしても、全力で向かわなければならない布陣を敷く以外にない。

ここに日本サッカーの成長を見た。
今次W杯の日本の戦いの先にあるものが少しずつ見え始めている。それは日本サッカーの感謝の旅である。
初戦のオランダ戦に臨む森保の一言が心に響いた。
「私が日本代表になった時、当時プロはまだない時代でしたが、ハンス・オフトさんというオランダ人のコーチに育てていただいた。私だけでなく、日本人の指導者が大きな大きな影響を受けて、今の日本のサッカーの発展に繋がっています」
日本のサッカーをW杯一歩手前まで導いてくれたオランダへの感謝の心を表明していたのである。そのオランダとの対戦。一点を入れられたら、一点を返すという熾烈なゲーム。結果、2−2の引き分けとなった。まさにオフトへの恩返しであった。
日本はスウェーデン戦にオランダがスウェーデンと戦ったように大量得点を狙うサッカーもできただろうが、堅実な道を選び、引き分けに辿り着いた。そして、その先にサッカー王国ブラジルとの戦いが待っていた。
思えばブラジルこそ日本サッカーを育ててくれた国である。森保はブラジル戦への意気込みを聞かれ、「日本サッカーのレベルアップに貢献してくださったと思います。オブリガード」と言った。
辛口サッカー評論家のセルジオ越後のサッカー教室には森保も参加していた。このことは越後自身が披露している。サッカーの神様ジーコはJリーグ創設前から日本リーグに来てプレーし、その後の鹿島アントラーズの躍進の原動力となり、やがては2006年W杯日本代表チームの監督としても貢献してくれた。
ラモスを始め多くの選手がブラジルから日本に来てサッカーのレベルアップに貢献してくれた。
メキシコ五輪銅メダルへはドイツ(デットマール・クラマーなど)が、W杯一歩手前まではオランダが、そして日本サッカーの底上げにはブラジルが尽くしてくれていたのである。
そのブラジル代表は常にスター選手を揃え、「強くて華がある王者」として、世界のサッカーファン誰もが好きになるセレソンであった。そして今、今次大会の日本代表も2022年カタール大会以来、「強くて礼儀正しく綺麗なサッカーをする代表」として世界の人々から好かれている。
今大会のブラジルも才能豊かな布陣に恵まれたチームである。しかしブラジルになくて日本にあるものがある。それはチームのために「我」を捨てることができる魂である。
かつての日本代表は監督の言うことが絶対で「我」を出すことは回避された。伝説のフリーキック、我が友、元日本代表の木村和司がよく言っていた。「今の選手は監督の言うことばかりやっていてサッカーをしない。これじゃ勝てん」
しかし、今の日本代表はそれぞれの技術に裏付けされた「我」を持ちながら、チームのためにコントロールすることができるように育っている。かつてのブラジルはそれぞれのうまさと自由さで勝利を掴んできた。しかしそれだけでは勝てないほどサッカーは進化してきた。そこにアンチェロッティ(イタリア人)という初の外国人監督を招聘し、「我」をうまくコントロールできるチームにした。
今の日本代表は「我」を一旦捨てることによって、チームプレーに「我」が蘇生することを会得している。
W杯の本番の舞台でブラジルとの闘いに道が開かれた今、日本代表はブラジル代表に代わり、世界の人々の心を奪う代表になる好機を得ている。
日本の次の勝利こそがブラジルに対する最大の感謝となる。
(敬称略)
2026年6月28日
明日香 羊
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編集好奇
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日本vsスウェーデンは何を教えてくれるでしょうか?と結んだ前号の編集好奇。
その答えは「感謝への道」でした。
後1日半すると結果が出ていると思うと私は眠ることができないほど緊張しています。
無我の境地には程遠いサッカー小僧であります。
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「新・実践五輪批判」連載完結!
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ミラノコルティナ冬季五輪を機に地政学的な視点にオリンピズムのプリズムを入れて世界を見るという哲学的挑戦をしております。どうぞご高覧ください。
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コメント
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ブラジル戦、どんな恩返しが出るか
拝読しました。
サッカーの中にもある恩返しの思想、
勉強になりました。
もともと日本の国技ではないから、いろんな国の
お世話になり、身体でコミュニケートしながら
成長して来たスポーツなんですね。
大相撲ではよく、先輩力士に勝つと恩返しと言いますが、
スポーツ全般に恩返しはあるんですね。
ブラジル戦、どんな恩返しが出るか、楽しみにしています。