新五輪主義 〜スポーツの原点回帰〜

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Sport Philosophy
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新五輪主義
〜スポーツの原点回帰〜

オリンピックは選手とファンが一体となって創造する世界平和理念空間だ。
「より速く、より高く、より強く」を求めて頂点を目指してきた選手たちが、
競い合う時空を共有することによる努力する喜びへの共感である。

自国の選手、自分の応援する選手への共感が競い合う選手の限界に挑む精神の発露に、
他国の選手、応援する選手の敵(相手)への共感に変わる。

IOCを創設したクーベルタンがスポーツを世界平和のツールにしようと思ったのは、
戦争は他国や相手への偏見から起こると考えたからだ。

スクリーンショット 2020-06-24 22

戦う前には倒すべき相手でしかなかった対象が、戦いの中で重要な存在として肯定され、
それが相手への理解となり、自分を愛するように敵も愛する精神に繋がるのが、
スポーツの特異性であると見抜いていたからだ。

さて、COVID-19のもたらしたスポーツの危機は、スポーツの本質である、
人と人とのスキンシップを全否定する。
さらにそれは選手だけでなくそれを見て共感するファンやサポーターが
同時空を共有できないということである。

そこで現在は欧州サッカーリーグは無観客で試合を行い、日本のプロ野球もそうしている。
オリンピズムの格である選手(使者)と観客(賛同者)の関係が同時空において構築できない。

しかしそこにもう一つのスポーツの真実が浮かび上がってきた。
元々スポーツは観客のためにするものではなかったという事実だ。
それは純粋に速く走りたいから走ったのであり、泳ぐことへの愛が速さを求めたのである。
観客を唸らせたいからボールを懸命に追いかけるのではなく、自分がボールを追いかけたいから追いかけるのである。
敵のゴールにボールを入れたいから走るのである。

無観客で声援のない球場でも、投手が投げて、捕手のミットに収まるボールの重量感あふれる音が響いている。
三塁手から二塁手に捌かれた白球が一塁手に届く、そのボールがグラブを叩く音が響く。
それをテレビがお茶の間に伝えると、見るスポーツのあり方が変化し、選手とスポーツだけの場が現出する。
見ているお茶の間はスポーツを学ぶ。
それはそれでスポーツの本来の喜び、ボールを投げる、打つ、取るという躍動を伝える。

リモート中継がもたらした新しいスポーツの見方が出現している。
それはただスポーツを見ていた人間が自らを動かしていく原動力になる可能性がある。

それはスポーツがスポーツであることの喜びでもある。

しかして、そこからスポーツが世界平和構築の礎になるステップには、
オリンピックという時空が必要となる。
その至高の戦いに共感する場合が必要だからだ。

観客のない会場にリモートの観客が臨場できるシステムを構築できれば、
そこは選手を通じて他者に共感する場を顕現させることができるだろう。

欧州サッカーリーグでは無観客により、ホーム勝率が低下しているというデータがあるそうだ。
(深層NEWSで共演した為末氏の言)

選手は無観客により全く純粋にスポーツに向き合うことになる。
無観客は選手に平等を与えるという見方もできるのではないか?
そしてその姿をリモートで応援するオリンピックファンは、あらゆる偏見を超えて選手を見つめる。
その結果、国境、宗教、政治、経済、性的指向性などあらゆる差別を超えたところから選手を認める。

1948年ロンドン五輪の時、日本は第二次世界大戦の敗戦国として参加が叶わなかった。
そこで当時世界をリードしていた日本水泳界は神宮プールで、五輪の競泳日程に合わせて、日本選手権を開いた。
そして古橋廣之進や橋爪四郎が世界記録を出す。
1500メートルでは古橋が18分37秒0 、橋爪が18分37秒8を出す。
ロンドン五輪で米国のマクレーンが出した19分18秒5を遥かに上回った。
400メートルでも古橋は4分34秒4を出し、米国スミスの優勝記録4分41秒を破る。
これが敗戦の悲嘆に暮れる日本人にどれだけの勇気を与えたかわからないが、
もしこのように、世界同時に別々の会場で競争が行われ、それがメディアを通じて世界中に伝われば、
オリンピックが目指している選手とファンの共感が成立する。

仮説的であるかもしれないが、オリンピックの新しい形が見えてくる気がする。

(敬称一部略)

2020年6月24日

明日香 羊

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編集好奇
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昨日6月23日はオリンピックデーでした。
オリンピズムの誕生日です。
1894年6月23日にIOCが生まれたのです。
世界中で祝う行事が行われています。
因みに私は6月22日に生を受けました。
感謝

春日良一

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考?ご期待
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