FIFAワールドカップ2026をオリンピズムから思考する(1) 〜審判の入国拒否でオリンピックは米国を去るやも知れぬ〜
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FIFAワールドカップ2026をオリンピズムから思考する(1)
〜審判の入国拒否でオリンピックは米国を去るやも知れぬ〜
世界最大のスポーツイベントの一つFIFAワールドカップ(W杯)が6月11日に開幕した。出場国が史上最大の48、初の3カ国共催。巷間、優勝宣言のサムライブルーの話題で事欠かないが、私はもう一つの世界最大のイベントであるオリンピックの思想からこの大会をスポーツ思考することにした。
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W杯でソマリア人として初めて審判を務める予定だったオマル・アルタンが、米国によって入国拒否された。これを受け、彼は審判員リストから除外された。国際サッカー連盟(FIFA)が8日、明らかにした。(6月9日BBC伝)

トランプ米国大統領は入国禁止リストを作成し入国管理局の審査を厳しくしている。48カ国が出場するW杯観戦者の数は計り知れないものになる。米国が2024年9月から2025年10月までに入国査証申請拒否率が40パーセントを超えた国にソマリアは入っていないが、セネガル、ガーナ、コンゴ、イラン、ヨルダン、カーボヴェルデ、ウズベキスタン、アルジェリア、ハイチ、エジプト、エクアドルといった出場国が入っている。
3カ国共催といっても、カナダもメキシコもそれぞれ2都市と3都市だけで、26試合、全104試合の25パーセントに過ぎない。米国の査証発給が問題になる。
観戦に訪米するサポーターたちはともかくもFIFAが指名して認めた人間の入国を拒否するということはW杯主催者であるFIFAを認めないことに等しい。W杯開催国を選ぶ権利はFIFAにしかない。
一般常識から考えれば、トランプが「クズ」と言っているソマリアからの入国は許されないのか、トランプが大統領である以上、しょうがないだろう、となるのかも知れないが、この事件について我々が声を上げなければ、スポーツの意義が失われる。たかがスポーツ、たかがサッカーと思っている一般には馬耳東風だろうが、それでも叫ぶしかない。
オリンピックでは主催する国際オリンピック委員会(IOC)が発行した資格認定書(アクレデイテーションカード)を有したものの入国と滞在は開催国によって保証されなければならないことになっている。
五輪開催都市契約を不平等条約と批判する人々がいるが、同契約は明らかにIOCが甲で開催都市が乙の上下契約である。なぜそうかと言えば、スポーツが政治を支配する時空を造ることがオリンピズムの根本にあるからだ。オリンピックの開催期間と開催場所はオリンピックによって支配される時空でなければならないのだ。
それ故にこそオリンピックが平和の祭典と言い張れるのである。もしスポーツが世界平和を構築できるとすれば、この根本原則こそ死守されるべきである。
翻ってFIFAはサッカー王国の支配者として少なくともW杯の時空を支配しなければならない。それが世界一強い男だと思っているトランプの国であっても。
FIFA会長インファンティーノはトランプのマイアミにある別荘では隣人となっている。のちにオリンピック休戦を破ってイランを攻撃したトランプにわざわざ平和賞を創設して与えていた。そこまでしてトランプと対等に付き合っているのだから、サッカーが政治に凌駕される場面が来たら、なんとかするだろうと僅かながらの希望を持って見ていた。が、今回の件はトランプの言うなりとなった。
アルタンのW杯で審判するはずだった報酬を全額支払うことをFIFAが固めたというのだ。お金で解決するインファンティーノはまさにトランプに尻尾を振る犬だ。
こんな状況を放念しておいて、我々はサッカーに興じるだけでいいのだろうか?
万一、2年後に開催されるはずのロサンゼルスオリンピックで、例えば資格認定を終えたソマリアのチームが入国拒否されたとなれば、IOCはトランプと闘うしかない。
しかし、トランスジェンダー女性選手の女子種目への参加を事実上禁じる方針を出したコベントリーIOC体制に私は不安がある。彼女は史上初の女性IOC会長となった人だ。
彼女はまた史上初のアフリカ出身のIOC会長でもある。ソマリアのチームの資格認定による米国入国を守れなければ、自ら名誉の「初」に再び泥を塗ることになる。
W杯2026が突きつけている問題をIOCはしっかりと受け止めなければならない。
トランプがオリンピズムに従わないならば、五輪は米国を去らなければならない。
(敬称略)
2026年6月17日
明日香 羊
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編集好奇
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私はサッカーき〇〇〇と言われた。小六からサッカーの虜となり、家の庭にゴールを作り、毎朝トレーニングしてから学校に行った。中学にサッカークラブがなかったので、中学の弁論大会でサッカー部新設を訴え、町内署名を敢行、署名簿を持って校長に直談判した。中学二年の時にサッカー部が創設された。私が卒業するとサッカー部が潰されかけた。サッカー部にいた弟が泣いて帰ってきたことを知り、その夜、宿直の教頭に談判に行った。サッカー部は生き残った。インファンティーノだって本当にサッカーを愛しているのなら、トランプに直談判するだろう。「俺が認めた男を入国させてくれ!」と。そうしなかった彼にはサッカーよりも好きなものがあるのだろう。史上最高益となるだろうW杯が始まってしまった。
本号は555号。ゴーゴーゴーに相応しいスポーツ思考であるように、W杯思考を継続していこう! ゴーゴーゴー!大学の受験番号がこの番号だった時、私は合格を信じた。
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「新・実践五輪批判」連載完結!
https://www.nikkan-gendai.com/?p=news&column=5471
ミラノコルティナ冬季五輪を機に地政学的な視点にオリンピズムのプリズムを入れて世界を見るという哲学的挑戦をしております。どうぞご高覧ください。
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