FIFAワールドカップ2026をオリンピズムから思考する(6) 〜日本vsブラジル、「サムライブルー」の涙は青かった〜
━━━━━━ Weekly Column Sport Philosophy ━━━━━━━
週 刊 ス ポ ー ツ 思 考 vol.560
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━Genki-na-Atelier━
https://genkina-atelier.com/sp/
━━━━━━━━━━━
Sport Philosophy
───────────--------------------------__(、。)┓
━━━━━━━━━━━
○○○○○●●●●●○○○○○●●●●●○○○○○●●●●●
FIFAワールドカップ2026をオリンピズムから思考する(6)
〜日本vsブラジル、「サムライブルー」の涙は青かった〜
6月29日正午その試合はヒューストン・スタジアムで始まった。前半29分、佐野海舟がハーフウェイライン付近でダニーロのパスを奪い、高速ドリブルでブラジル陣内中央へ持ち上がり、ペナルティエリア手前から右足を一閃。ゴール左下隅へのシュートを決めた。森保ジャパンが掲げた優勝が絵空事ではないと思えた瞬間だった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
しかし、結果は2−1のブラジルの勝利。日本は「死」の判決を聞いた。サッカーは生きながら「死」を体験できるスポートである。それまで尽くしてきた日々が敗北という結果の前に瓦解する。「死」の直前に人生が走馬灯のように流れる。それでもそこで全ては終わる。
故に今回の結果は決定的に私も追い詰めた。日本代表に「私」を勝手ながら代表してもらっているからである。この「死」から復活するには、私は新たに「サムライブルー」に救いを求めるしかなかった。
サムライブルーという日本男子サッカー代表のニックネームには歴史がある。侍を意味する「SAMURAI」と、日本代表のユニフォームカラーである「BLUE」を組み合わせた愛称で、チームの戦う姿勢とユニフォームを象徴する。
「SAMURAI BLUE」は2006年ドイツ大会のときに「SAMURAI BLUE 2006」というスローガンとして使われ、2009年10月に日本代表の正式な愛称として発表された。
思えば2006年ドイツW杯の日本代表は「最強」と言われた。中村俊輔、小野伸二そして中田英寿という才能がいた。ジーコが監督だった。しかしグループリーグで1勝も出来ずに敗退した。最後の試合はブラジル代表とのもので、4−1で涙を飲んでいる。
あれから20年、日本サッカーは進歩した、強くなったといくら言っても、敗北という結果は全く変わっていない。
そのことをサムライブルーの一人一人は肝から感じている。彼らの搾り出すような試合後のコメントには「死」をどう受け止めるかの「必死」がある。明日から何をすべきか?どう生きるのか?全く分からない状態である。そこから私は今回のサムライブルーの戦いを想起し、そこに新渡戸稲造の武士道が伝えるサムライを見る。
フェアプレーに徹し(義)、強敵にも堂々と戦い(勇)、勝っても負けても潔く振る舞う(礼)、勝った場合も相手へのリスペクトを忘れず(仁)、我を捨ててチームの規律を守る(誠)、一歩先を目指す自らの努力を誇り(名誉)、そして監督とチームへの献身を尽くす(忠義)
あれから20年、愛称だったサムライブルーは今散った一人一人の選手の魂に宿っていることを知った。それが私の救いとなった。この心を育てていく日本サッカーに期待したい。
延長戦に突入かと思われたアディショナルタイム95分、ブラジル代表のブルーノ・ギマランイスの絶妙なパスを交代出場のガブリエウ・マルティネッリがエリア左で受け、ゴール右隅へ流し込んだ。
田中碧は、自分のミスから決定的なパスが生まれたと責任を感じ、終了のホイッスルが鳴るとピッチに伏して泣いた。日本代表の仲間が寄り添って慰めても、号泣は続き。そこへブラジル代表FWマテウス・クーニャが歩み寄り田中を抱きしめた。「君はすごい選手だ」と。

その姿に私はサムライブルーのプレーと振る舞いが王者ブラジルのセレソンに伝えた武士道を思った。クーニャのハグはサムライブルーの魂への敬意なのだ。
サムライブルーの涙は青く輝いていた。
(敬称略)
2026年7月3日
明日香 羊
────────<・・
△▼△▼△
編集好奇
▲▽▲▽▲
帰国後記者会見に臨んだ森保一監督にサムライブルーを感じることはできなかった。
優勝宣言をしておきながら、ベスト32で敗戦。
「誠」を破ったことについて一言もなかった。
質問する記者諸氏も現状肯定的質問ばかりだった。
試合前の国歌斉唱では必ず涙を流す森保氏だ。
この結果に乃木大将を見習うべしとは言わないが、
「忠義」について謙虚であるべきだろう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「サムライブルーと武士道」について論考しました。
https://note.com/olympism/n/n43f5785f3b0b?from=notice
note創作大将2026応募作品です。
「新・実践五輪批判」連載完結!
https://www.nikkan-gendai.com/?p=news&column=5471
ミラノコルティナ冬季五輪を機に地政学的な視点にオリンピズムのプリズムを入れて世界を見るという哲学的挑戦をしております。どうぞご高覧ください。
YouTube Channel「春日良一の哲学するスポーツ」は下記から
https://www.youtube.com/@user-jx6qo6zm9f
オリンピックやスポーツを考えるヒントにどうぞ!
『NOTE』でスポーツ思考
https://note.com/olympism
━━━━━━━
考?ご期待
━━━━━━━
次号はvol.561です。
スポーツ思考
https://genkina-atelier.com/sp/
┃------------------------------------------------------------
┃ 購読登録は
┃ https://genkina-atelier.com/sp/ から。
┃△△▲-------------------------------------------------------
┏━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ copyright(C)1998-2025,Genki na Atelier
┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┃ ★本誌記事の無断転載転用等はできません。★
┃
┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛