スポーツ思考回顧録 Respectablility of Sport Philosophy vol.3

スポーツ思考回顧録 Respectablility of Sport Philosophy
vol.3

もう一昔まえのスポーツ思考録。ゆとり教育についての世評にスポーツ思考。その後、ゆとりない教育になっているが、状況は全く変わらずである。夏休みの宿題を請け負う会社が利益を増大しているという。何のための宿題なのか?こどもの宿題を丸投げする親がいるという事実とそれを金儲けにするをビジネスとする輩にスポーツ思考を送る。

スポーツ思考録 2002/03/21

◆ 学力低下

 今年4月から完全学校週5日制が実施される。小学校も例
外ではない。校内暴力やいじめ問題が激化し、「ゆとり」の
ある教育を求めた結果だと思うが、一方で学力低下を憂慮す
る親たちもかなり多い。そうした親たちが交わす議論をTV
観戦していると、「教育的指導」の必要性を感じてしまう。
 そもそも何のために学習するのか?学校へいくのか?根本
的な問いを投げかけたくなるが、そういう最後通達を突き付
けるまでもない。学ぶということはもともと時間ではない。
つまり量ではなくて質だということに思い至れば十分だ。
 そのことはスポーツをすれば自然と分かる。いくら練習を
繰り返してもできなかった逆上がりが、ある日突然できてし
まった。という経験のある方も多いはずだ。
 教育の荒廃は学ぶこと、真理を探求することの面白さを伝
えられる指導者がいないことに尽きる。その面白さを体感で
きるのがスポーツである。学問は頭で真理にいたり、スポー
ツは体で真理に至る。
 与えられた土曜日を、親子で体を真剣に動かす時間に当て
れば、学力の基礎である体力も集中力も高まり、親子の絆も
深まるはずだ。
 学力低下を嘆く親たちにスポーツを知ってもらいたい。
そして教育の指導者養成には、日本サッカー協会公認S級
コーチ養成コースほどの厳しさが必要だ。木村和司は既に取
得済みだが、あのラモスはギブアップしてしまった。未来の
宝を育てる学問のコーチが就職のための教職課程履修で終
わっていてはならない。

(敬称略)

(*)ラモスさんはその後S級ライセンスを取得した。素晴らしい。