スポーツ思考回顧録 Retrospectivity of Sport Philosophy vol.4

スポーツ思考回顧録 Retrospectivity of Sport Philosophy
vol.4

2022冬季五輪が北京に決まった。歴史的な出来事である。夏冬五輪を開催する史上初の都市に北京が選ばれた。この招致活動の影の重鎮は私の朋友である。彼を想起しながら綴ったスポーツ思考が見つかった。ご披露します。この招致については、憶測が飛び交っているが改めてスポーツ思考させていただきます。

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スポーツ思考録 vol.232 2006/3/19


◆ 酒豪

知り合いの編集者に本物の「酒豪」がいる。飲めば
飲むほど男気が際立ち、一献は場所を替え、酒を替え、
気が付けば必ず夜明け前。長年「酒豪」を自認してき
た私も誘いを受けて立つ無分別が抜けない。が、同氏
は私を見送ってからさらに一軒は行くと言うから降参
である。

酒飲みにも三つのカテゴリーがある。と教えてくれた
のは中国の朋友であった。まずは「酒鬼」。酒が好き
で、好きで溜まらず酒に溺れるタイプ。「楽天」は酒
を飲み、詩を吟じ、風雅を楽しみ、杯を重ねる。そし
て、「酒豪」とは、酒をいくら飲んでも酔わず、自ら
を失わない豪傑である。
朋友もまさしく「酒豪」で、来日すれば必ずホテルの
冷蔵庫は空になり、こちらが訪中しても同じことにな
った。その君はいまやIOC委員しかも理事。スポーツが
好きなだけから(バスケットボール選手)、スポーツ
を楽しめる立場(中華全国体育総会)となり、そして
スポーツを操る立場になった。酒飲みのカテゴリーは
スポーツにも有効である。

中国国家運動委員会主席の酒宴で茅台酒を限りなく飲
みつくし、全方位外交に卓を飛び回った若き「小酒鬼」
時代を想起しながら、「酒豪」にならねばと、今宵も
杯を重ね、スポーツ思考を綴る。
                       羊