五輪の政治力 ~平和構築へのヒント~

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五輪の政治力
~平和構築へのヒント~

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-In)大統領が来年開催
される平昌冬季五輪での南北合同チームの結成を提案したことが話
題になっている。

 南北融和を図る新大統領のスポーツの政治利用と言ってもよい。し
かし、一方で五輪精神は常に政治に挑戦してきた。日本の猪谷千春が
アルペンで銀メダルを獲った1956年のコルチナダンペッツォの冬
季五輪で最初にこの統一ドイツ選手団が実現した。そして、1964
年の東京オリンピックでは国旗も統一ドイツの五輪選手団のためのも
のを作り、国歌もベートーヴェンの第九「喜びの歌」であった。

 これを最後に統一ドイツはその姿を見ることはなかったが、逆に今
は政治的にベルリンの壁が崩壊し、ドイツがひとつになっている。

 平昌五輪を南北共同開催にする、南北合同チームを編成するという
ニュースが流れた6月22日、フジテレビの取材を受けた私の頭に浮
かんだのは統一ドイツとそしてそのドイツ出身のIOC会長、トマス・
バッハがどういつ決断をするかであった。

 そして、開催まで後1年というこの時期に今更共同開催などありえ
ないという解説を期待されたインタビューアーを裏切って、五輪運動
は常に国境を超えることを、そして世界平和を目指していることを伝
えた。

 しかし、一方で、北朝鮮スポーツ界のトップでIOC委員の張雄(
チャン・ウン、Chang Ung)は、6月25日、南北合同チームの実現に
懐疑的なコメントを出した。理由は政治的緊張と時間不足である。

 現在、韓国で開かれている世界テコンドー選手権(World Taekwondo
Championships)の開会式に出席した張氏は、25日夜、同国ケーブルテ
レビ「チャンネルA(Channel A)」に対し、平昌冬季五輪の開幕まで7
か月しかなく、合意に至るには時間が足りないとの見解を示し「五輪
の専門家としての立場から言うと(合同をチーム結成するには)すで
に遅すぎる」と述べた。

 かつてバスケットボール北朝鮮代表の主将を務めた張氏は、いわゆ
るスポーツ外交には何か月もかけた念入りな準備と政治的な調整が必
要だと強調した。張氏によると、1991年に日本で行われた世界卓球選
手権(World Table Tennis Championships)で南北合同チームを結成
した際には、半年にわたって20回以上の打ち合わせがもたれたという。

 また、張氏は、1970年代に米国の卓球チームが中国の招きで訪中し、
両国の関係改善のきっかけとなったいわゆる「ピンポン外交」に触れ
ながら、「現在の政治状況が先に解決されなければならない。政治は
スポーツより上に位置する」と語った。さらに「政治的な下地がすで
にできていたからこそ、卓球を契機に米中の関係改善が成し遂げられ
た」と述べ、「卓球がすべてを起こしたと世界ではいわれているが、
現実は違う」と語った。(c)AFP

 チャンは私が日本オリンピック委員会時代から北朝鮮のスポーツ界
に繋がる国際筋として、多くのスポーツ関係者に重宝されてきた人物
だ。個人的には多くの国際派と同様に気軽に話しのできる好漢であっ
た。現在の北朝鮮の政治状況を勘案して、上記のコメントを見なけれ
ばならないが、最も注目すべてきは彼がスポーツ外交を政治の下に置
いていることだ。

 私のスポーツ外交において、最も共鳴し、最も同調した役員は故荻
村伊智朗(世界卓球チャンピオン、国際卓球連盟会長、JOC国際委
員長)。彼は中国とのピンポン外交に貢献し、1991年世界卓球選手権
で統一コリア実現の奔走した。チャンが言う20回以上の交渉は、すべ
て荻村が行ったものであり、そのために荻村が国際卓球連盟の会長と
して北朝鮮を少なくとも10回以上は訪れたはずだ。その彼の思想はチ
ャンとは逆に「スポーツ外交こそ、政治を超える唯一の戦略」であっ
た。

 荻村の志を繋げば、今回の文在寅大統領の南北共同開催や南北合同
チームの「スポーツの政治的利用」発言は願ったり叶ったりの好機で
あり、スポーツが政治を利用して、平和への架け橋となるためのステ
ップになりえる。

 自らの南北協調路線を実現するために五輪を利用しようとしている
文政権を利用して、五輪でなければ実現できない北と南の協調を果た
すことができる。今は亡き荻村伊智朗がいれば、そのために心身を尽
くしたことだろう。チャンは1991年の卓球統一コリアに半年かかった
と言ったが、半年あれば十分ということだ。熱意と情熱があればの話
だが。

 荻村なき今、その志を実現できるのはトマスしかいない。6月29日
世界テコンドー選手権の閉会式出席のため韓国に入ったバッハIOC会
長は「大統領の表明に感謝する。五輪は相互理解や対話、平和の精
神に基づいている」と語った。「議論を楽しみにしている」バッハは、
東西統一ドイツのレガシーをその魂に引き継いでいるはずである。

 会談の結果は本日中に聞こえてくるかもしれない。

(敬称略)

2017年7月1日

明日香 羊
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編集好奇
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スポーツが政治をコントロールするために
スポーツ外交はあります。

皆様のスポーツ思考を期しつつ

春日良一

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考?ご期待
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次号はvol.371です。
(1998年からの400号を目指して あと30思考?!)

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