vol.285 ベビーフェイスの招致活動~2020年五輪開催地の姿~

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  週 刊 ス ポ ー ツ 思 考 vol.285
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ベビーフェイスの招致活動
~2020年五輪開催地の姿~


 猪瀬都知事の発言がニューヨークタイムズでイスタンブールへ
の誹謗中傷として取り上げられ波紋を呼んだ。「イスラム諸国は
けんかばかりしている」とか。

 五輪招致倫理綱領の「ライバル都市との比較をしない」条項違
反としてIOCからの警告も受けた。これについて朝まで討論の論客
も大人しく謝罪して、IOCの指導を真摯に受け止めた。

 一方、言われた方のイスタンブールは、「日本とトルコの長年
にわたる友好関係」を重んじ不問とした。こうして「良い子」の
招致活動が展開されている?!

 サマランチが引退した後の、五輪運動はまさに公明正大で透明
なムーブメントに見える。後を継いだロゲ会長は、欧州NOC連合会
長時代に成功させた欧州ユース五輪を、国際規模のユースオリン
ピックにした。「勝敗を超えた若人の集い」という五輪理念を実
現させるためとのことだ。

 しかし、良く考えてみるとオリンピック競技大会こそ、若人の
平和の祭典であり、世界の若者たちが政治、宗教、国境などのあ
らゆる壁を越えて参集し、「平和」のシンボルを描く場所であっ
たはずだ。スポーツの「他を凌駕する」という競技性を有しなが
ら、友好を追及するというアンビバレンスがあったからこそ、政
治や宗教やイデオロギーを昇華するムーブメントが営まれるはず
であった。

 ロゲがユース五輪でやろうとしたことはオリンピック競技大会
で実現しなければならないことなのである。

 だから現在の五輪運動は、「解」が必ず存在する初等数学で、
もっといえば方程式も使わずに解けるほどの活動、わかりやすい
けれど、そこに政治や宗教を乗り越えるポリティクスが存在しない。

 同様に招致活動もそうである。確かに2002年ソルトレークシテ
ィーの招致活動のアンフェアな工作が問題となって以来、立候補
都市はルールどおりに良い子の招致活動をすることこそ最善の道
としているように見える。だが、そういいいながら東京は70億円
以上の招致活動費が捻出できるなどと公言していたような記憶が
ある。私の関わった長野五輪の招致活動にその金額を提示したら、
大批判を浴びていただろう。

 「まじめな」招致活動にはいくら金をかけてもかまわないと言
うがごときである。

 しかし問題はそこにはない!オリンピズムに基づいた招致活動
をしているかどうかなのだ。猪瀬がイスタンブールを批判するこ
とではなくて、猪瀬がオリンピズムを理解していないことが最た
る問題なのだ。

 イスタンブールは近代スポーツ史の中で最も国際スポーツに貢
献した都市のひとつである。この都市で毎年、数多くのスポーツ
国際会議が開かれている。国際競技連盟の理事会、総会、IOC理
事会、諸委員会などなど、スポーツ人にとって最も垢抜けた都市
のひとつでもある。つまり彼らにはオリンピックを受け入れるセ
ンスがあるのだ。

 オリンピックはオリンピズムを最も愛するところにやってくる。
 ベビーフェイスだらけの招致活動にはゴールが見えない。何の
ために五輪を招のか?
 
 東京のためか?
 それとも五輪運動のためか?
 
2013年5月2日
            
                      明日香 羊
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編集好奇
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 元プロレス団体社長が、光文社フラッシュに連載中の記事を
「余りにもシリアスですね。楽しく読ませてもらっています。
東京開催はむづかしいのですか?」と聞かれ、

 しばし熟考。

「招致は水物ですが、ベビーフェイスばかりの招致活動は、
ゴールが見えません」と申し上げました。

 私は正しい招致活動をしています。東京はすばらしいところ
です。日本人の組織運営能力は優秀です。
 IOCにお咎めを受ければ素直に「ごめんなさい」
 皆「良い子」

 IOCに喧嘩できるだけの器量がなければ招致の成功はありま
せん。

 私のIOCとの闘い、第3回が今発売されています。

 読者の皆様の熱いご高覧を期待します。
   
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  考?ご期待
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 次号はvol.286です。  
                       
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