ソチの伝言~逆境からの成功~

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  Sport Philosophy 

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 ソチの伝言
 ~逆境からの成功~
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 知らぬうちに、という言葉が一番適切かもしれない。ソチ五輪が
幕を閉じてしまった。本戦の五輪競技に関わるよりは、フレームワ
ークが昔とった杵柄なので、周辺、あるいは底辺をうろうろしてい
たら、知らぬうちに閉会式が来てしまった。

 ソチ五輪の開会式は五輪ならず四輪で始まった。前代未聞のミス。
世紀の失態に私が監督だったら、とても立ち直れそうもない。しか
し、今回の監督は違った。「理想が描かれた玉があったら、そこに
一つの傷を付けたほうが良いとの考えがある。その玉がどれだけき
れいに磨かれているかが分かるから」と開会式5日後の記者会見で
発言した。

 そして、閉会式本番。またも最後の輪が開かず、四輪状態になっ
た。まさか。会場がどよめく中、最後の最後で輪が開き、「五輪」
が完成した。

 この演出、オリンピックシンボルが「四輪 」となった事件を逆手
に取って、観客の感動を呼び起こした。オリンピズムが伝えている
「努力することの喜び」すなわち「途上にあるもの」のゴールを目
指す精神を見事に示してくれた。

 フィギュアスケート女子。浅田真央はショートで16位となり、
メダルの可能性が見えない中、フリーで完璧な演技を見せた。どん
底から這い上がることの意味を彼女の2日間は見せた。それは、シ
ョートでの16位という逆境がなければできないことであった。

 浅田はメダリストになること以上の大切なことを自らの演技を通
じて世界に見せたのである。それはメダルを超えたところにある真
理を象徴した。まさにオリンピック精神であった。

 巷では成功法則の本が売れ、セミナーが盛んである。しかし、我
々はオリンピズムから学ぶ。成功がすべてではない。失敗は成功の
先取りだと。自らに起こった出来事、それは過去の自分が起こした
結果かもしれないが、その出来事がたとえどんなものであろうが、
それは未来を成功させるためのきっかけなのだ。

 ソチ五輪の評価はいろいろあるだろう、しかしこの二つの物語は
それだけでこのオリンピックが「歴史上最も優れた競技大会」(
IOC 会長の決まり文句)であったと思わせるに充分だろう。

                          (敬称略)

2014年2月25日  

                        明日香 羊         
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編集好奇
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 浅田選手がスポーツの極みを見せる中、結果しか見えない人々が
東京五輪組織委員会の中枢にいるのが気になる。
 森元総理がショートでの浅田選手の演技を揶揄する失言をするか
と思えば、JOCの事務局のトップが「50年前の東京五輪のように
盛り上げるために選手強化に力を尽くす」と50年前の発言。
 2020年はソチ以上にオリンピズムの高みを見せなければならない。
東京五輪の後、オリンピック優等生だった日本が犯した罪「モスク
ワボイコット」の過ちが何のためだったか?「成功」に昇華する現
実を示さなければならない。
 スポーツが真実に平和を実現する手段であることを。

 ソチのもうひとつのメッセージ「高梨沙羅選手の4位」
 本日のMSN産経ニュースに掲載されています。
http://sankei.jp.msn.com/sochi2014/news/140225/soc14022511050003-n1.htm

 皆様のスポーツ思考を期しつつ

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コメント

  • オリンピズムとは何かこういうもの

    四輪から五輪へ臨機応変に修復できる柔軟な精神と、
    浅田真央の挑戦し続ける未完成の美しさを
    見事に簡潔な文章で“一つの精神”として結晶化させて
    いると感じました。

    オリンピズムとは、何かこういうことであって、あくまで
    完璧ではない、失敗したり、転んだり、怪我をしたり
    風邪を引いたり、力が出せなかったり、老いたりする人間の、
    あまりにも人間的な弱さの中から、神々にはない美しさを
    花咲かせ、神々に捧げる祭典なんですね。

    札幌五輪のジャネット・リンもそうでしたが、日本人の
    判官贔屓というだけではなく、あの転倒の中からの頬笑みに
    人々が普遍的な人間の美しさを感じたのだとすれば、
    それは浅田の今回の挑戦と笑顔に、40年の歳月を超えて
    通じているのだと思います。

    そしてそれはあくまで人間を信じ人間を愛する、極めて
    ギリシア的な精神であり、我々があの古代人達の創意を
    永久に忘れることのできない源なのだと感じます。



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