JOC役員人事の奥義 〜出る杭は「抜かれる」の巻〜

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JOC役員人事の奥義
〜出る杭は「抜かれる」の巻〜

国際オリンピック委員会(IOC)第10代会長は41歳の若さを誇る女性オリンピアンとなった。6月におそらく改選される日本オリンピック委員会(JOC)会長にも若さを誇る女性オリンピアンの登場が期待されるところだ。

しかし、巷では日本サッカー協会会長だった田嶋幸三(67) 、日本バスケットボール協会会長でJOC会長代行の三屋裕子氏(66)の名前が上がっていると聞く。前者はオリンピアンではない。そして後者はオリンピアンで女性であるが「若さ」はない。

東京五輪汚職事件とその流れからの札幌冬季五輪招致の断念と、今、日本のスポーツ界のポリティカルパワーは落ち込んでいる。それぞれにオリンピック精神を信仰して対応していれば陥らなかった隘路に嵌り、残念ながらスポーツアドミニストレーションの世界では信頼を失っているとしか考えられない。

この文脈でJOCのリーダーに求められるのは国際スポーツ界で信頼を得られる人材に他ならない。果たして適材はいるか?意中の君は恐らく手を挙げないだろう。会長は理事の互選で決まる伝統は未だ破られていないらしい。そこでIOC会長選よろしく立候補制を敷くべしと正論を唱える識者がいるようだが、スポーツ界の奥義を知らない暴論である。手を挙げたらおしまいなのだ。

田嶋も三谷も決して「私がJOC会長をやります」とは言わないのである。猪谷千春IOC名誉委員のように西欧思考でその道を進もうとした人もいたが、ことごとく潰された。彼が日本のスポーツ界で重鎮となれなかった理由がここにある。未だに彼は気づいていないかも知れない。日本のスポーツ界はスポーツを純粋に愛するスポーツパーソンシップに基づいて地位も金も求めない純粋人間のみが生き残れるのだ。そのことを身に沁みてわかっている田嶋や三谷は決して名乗りを自ら上げることはない。だからそれぞれ自らの競技団体のトップになれたのである。

ではどうやって会長を選ぶのか?この奥義は恐らく会長人事に関わった人間にしかわからないだろう。私の手元にはこれまでの会長人事に関わった男が詳細を綴ったノートがある。それを見れば表では純粋人間を演じた人が必ずしもそうではなくて、裏であの手この手で自らが頂点に立とうと暗躍している事実がある。小説にしたら書けるかも知れない。しかしここでは無理だ。

現会長の山下泰裕は正論のために役員選考委員会なるものを公に作って見せたが、それは見せかけに過ぎない。そもそも役員選考委員会の役員を選んだのは誰なのか?そこを追求した途端にこの迷路に嵌るだろう。分かりやすく言えば、形だけの委員会にすぎない。そこに上がってくる人間を選ぶその「何か」が重要なのだ。

本来は公約を掲げて立候補して、選挙で選ぶべきだ!とまことしやかに言うのは結構だが、現実にその方法ができるかやってみればすぐ分かる。誰も手を挙げないだろう。手を挙げた人間は干されるだろう。だから識者のお勉強会ではJOCの役員人事の謎は永遠に解けないだろう。

それなら奥義とやらを開陳しろと言われるかも知れないが、開陳した途端に私の意中の人間は弾かれる。暗示はできる。事務局の言うことをよく聞くことだ。

コベントリーとIOCスタッフ 2025-04-18 14

第10代IOC会長コベントリーは数日前にローザンヌ本部に招かれた。バッハ会長は無論だが、本部にいるスタッフ全員が大歓迎した。オリンピック運動を支えているのは会長ではなくて、スタッフなのだ。

(敬称略)

2025年4月18日

明日香 羊
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編集好奇
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メディアも専門家と言われる識者も机上の正論を展開するが、ことスポーツ界の役員人事についてはその範囲を超える。その意味が分からないとオリンピズムの本当も分からない。と思います。オリンピックを支えるのは選手だが、オリンピック運動をさせるのはスタッフなのだ。

noteでスポーツ思考の人気記事をマガジンとしてまとめました↓
https://note.com/olympism/m/m58da6016e53d

noteで私の五輪招致秘話「ショートホープ」連載を始めました。
第一話⇩
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noteで「春日良一の哲学するスポーツ」YouTubeChannel版をまとめました↓
https://note.com/olympism/m/m584856513250

IOC会長選 7候補マニフェスト完全採点
https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/5241

IOC会長選挙の結果についてゲンダイでも論じました。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/369469
コベントリーの勝利にプーチンが反応しました。融和外交に入っていくか?

「2024パリ大会 徹底、実践五輪批判」日刊ゲンダイ連載、全18話
https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/4728/495

Forbes Japanで開会式について五輪アナリスト春日良一が分析。詩的スポーツ思考。
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