IOCのスポーツポリティクス 〜東京五輪延期をお願いしたのは安倍総理である〜

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IOCのスポーツポリティクス
〜東京五輪延期をお願いしたのは安倍総理である〜

4月21日にアップされたIOCニュースの一部が、東京五輪組織委のクレームで削除されて小さな騒ぎになった。

東京五輪延期についてのQ&AをIOCが公式WEBサイトに上げて、歴史上初の五輪延期について基本的な質問に答えた。

問題になったのはその中の「日本の首相である安倍晋三氏が、2020年東京五輪開催都市契約を敷衍して日本が開催運営経費を負担することに同意した・・・(略)」という一文である。

新型コロナウィルス対策で右往左往し、休業補償なしで、緊急事態宣言を発している日本政府が、このような状況で、五輪には惜しみなく金を出すのか?!と国民に思われると思ったのだろう、菅官房長官は「そのような合意はない」と否定した。

しかし、五輪から見れば、IOCのQ&Aは模範解答である。

スクリーンショット 2020-04-23 7

なぜなら、オリンピアードという四年間の特殊な暦年の第一年目に行われるべき、五輪をその伝統を曲げてまで、一年先に延期して欲しいとお願いしたのは、安倍総理だったからだ。

3月24日にIOCのバッハ会長と電話会談をし、中止ではなく延期を願い、それにIOC会長が同意した。
そしてバッハ会長は、東京五輪2020の呼称はそのままであることを強調した。

即ち2020年の東京五輪を2021年に開催するという例外的な対応をするが、この五輪はあくまでも2020年東京五輪だということだ。

当然、2020年開催都市契約が敷衍されるわけであり、その開催経費支出の主体は組織委員会もしくは開催都市ということになる。
そしてそのことを保証するのは日本政府でなければならない。
IOCが最初にアップした一文は五輪運動のコンセンサスを敷衍したものに過ぎない。

しかし、常日頃からスポーツは政治の下と見ているメディアにとっては「IOCは一体何様だと思っているんだ?!」ということになり、勝手に首相の名前を出して失礼だと思うわけである。

さらに滑稽なのは、組織委員会がIOCにクレームした文句は「このような形で首相の名前を使うのは適切でない」と言ったことである。
一体、どこを向いて仕事をしているのか?

IOC会長がスポーツ王国の大統領として、各国政府の首脳と対等に応じるからこそ、スポーツで世界平和構築のゴールが描けるのである。
オリンピックの伝統と歴史に折り合いをつけて「延期」をしたのは、あくまでも開催国を代表する政治的指導者が頭を下げたからなのである。
IOCと一体であるべき組織委が政府の意見を代弁するのは本末転倒である。

3月24日の電話会談には、小池都知事、菅官房長官、橋本五輪担当大臣が同席した。
全て政治家である。
スポーツからは森組織委会長が参加していたが、山下JOC会長は参加しなかった。
当然である。
この会談はあくまでも政治がIOCに頭を下げる場であったからだ。

IOCは組織委の言い分を聞いて、当該のQ&Aを削除した。
日本国内の政府、東京都、そして組織委の間で行われる経費分担の綱引きを妨げないためだ。
IOCは開催運営に補助金850億円を拠出しているが、延期に関わる運営援助も数百億円を出すだろう。

五輪開催経費を出せないのならば、延期をお願いするべきではない。
休業補償をせず、営業中止をお願いするのと一緒の行為である。

東京五輪はさらにオリンピズムの禊を受けなければならない。

(敬称略)

2020年4月22日

明日香 羊

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コメント

  • 大人の対応

    原理原則論、立前論から行くと、この説明でなる程と理解される面はあります。
    国際外交として、またIOCと日本政府のコミュニケーションとして、日本政府
    および国民が理解しておかなくてはならないある種の客観性というものがあるからです。

    しかし、この度のような異例の国際情勢の時は、どの国もナーバスになっており、萎縮しており、
    要らぬ疑心暗鬼の中で生きております。ですから、この両者間の経済に拘わるマターについては、
    やはりIOCとしても世界に発信する前にコンセンサスを取った方がベターであったと感じます。
    オリンピズムだからとて、すべてが横綱相撲、大名商売とは行かない面が、この度のウイルス禍
    から後は出て来るように思います。
    どちらが言った言わなかったの問題ではなく、どちらが頼んだ頼まなかったの問題ではなく、
    機を見た、時節を見た、柔軟なフットワークや運動神経が必要になると思います。
    その意味では、IOCの一文削除と新たな一文の記載は賢明でした。大人の配慮でした。
    むずかる子どもに、原理原則論、立前論で向かっても労多くて益少なしですから。


  • Re: 大人の対応

    ご意見ありがとうございます。
    私のIOCとの折衝経験から申し上げますと、IOCが公式WEBに掲載する内容については、日本との合意がなければありえないことです。
    昨日のゲンダイの一面は(私のコメントも掲載していますが)IOCはヤクザ!と手厳しいですが。



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