スポーツと政治 ~ロシアオリンピック委員会の資格停止~

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Sport Philosophy
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スポーツと政治
~ロシアオリンピック委員会の資格停止~

12月5日に国際オリンピック委員会(IOC)は、ロシアの国内オリン
ピック委員会(ROC)の資格停止を発表した。同日の理事会で、スイ
スの前大統領サミュエル・シュミットが主催する委員会の報告資料
を理事会が検証し、国家ぐるみのドーピングがあったことを確認し
たことによる。ソチのオリンピック競技大会での検査機関が巧みな
不正操作を行ったことが17カ月に亘るシュミット報告で明らかにな
ったからである。

しかし、一方でバッハIOC会長はロシアのクリーンなアスリート(選
手)が平昌冬季五輪に参加できるように助け船を出した。すなわち、
潔白が証明された選手は、五輪旗の下、「Olympic Athlete from
Russia(OAR)」として、参加することができるとした。彼らはロシ
ア選手団とは言われないが、「ロシアからのオリンピック選手」と
して、自国の名前をユニフォームに入れることが許されたのだ。

この事実は決して小さなことではない。もちろん国旗も国歌も使用
できないが、五輪旗の下、「ロシアからのオリンピック選手」と銘
記されたユニフォームを着て参加できるのである。

かつて、例えば、1992年のバルセロナ五輪では、ユーゴスラビアの
崩壊により、ボスニア紛争が起こり、NOCがない状態が生まれた。
その時、時のサマランチIOC会長はユーゴの選手に門戸を開くため
独立したオリンピック参加(Independant Olympic Participants)と
して、五輪旗の下での参加を認めた。また、2000年シドニー五輪の
東ティモール、2012年ロンドン五輪の南スーダンからの選手にも同
様に門戸を開き、この時は独立したオリンピック選手(Independant
Olympic Athletes)としている。

一度もそのユニフォームに出身国を銘記することを認めたことがな
い。ロシアから来たオリンピック選手として、OARが大会記録にも残
ることになる。

これによって、予想されたロシア選手のボイコット、あるいはロシ
アの五輪ボイコットが回避された。

このメッセージを読み取ったプーチン大統領は、「私は五輪に参加
する選手の邪魔をしない」というニュアンスのコメントを出している。
もっと言えば「こうなるきっかけをつくった我々にも一部非がある」
とロシアの非を認める発言もしている。あのプーチンがである。ここ
に私はプーチンの五輪信者ぶりを見るし、プーチンとバッハがその
スピリットの部分で分かりあっていることが感じられるのである。

ロシアNOCの資格停止処分が論じられるIOC理事会前の演説で「ロシア
選手としての参加」を訴えたメドベージュワ選手もその後沈黙した。
さらに、ロシアのオリンピアン(オリンピック出場経験者)たちも五
輪参加をコメントしている。

「選手たちはオリンピックに参加すべきだと思う。ロシアの観客の応
援が大きくなることはあっても小さくなることはない」(元フィギュ
アスケート選手、エフゲニー・ブルシェンコ)「IOCの提案では、『
ロシアからの五輪選手』として出場するので、表彰では、『ロシアか
ら』だとアナウンスされる。私なら納得する」)元女子棒高跳び選手、
エレーナ・イシンバエフ)

フランスやドイツからは朝鮮半島情勢の不安から選手団派遣にネガテ
ィブな対応が囁かれる中で、ロシアNOCが資格停止となった状況での、
プーチンの五輪参加に政治的圧力を加えないという発言は、まさに五
輪の政治的な効力を理解している人のものである。

これまでスポーツは政治に利用されることによって、「少しでも」平
和的な社会を模索してきたと見ることもできる。
前号のピンポン外交しかり。しかし、これからはスポーツが政治を利
用して、より平和な世界を実現していかなければならない。

もし平和、平和というのであれば、そこにしか未来は見えないのでは
ないか?政治による管理も、軍事による統治も、そして経済により越
境も完全なる平和構築を実現できていない。スポーツにその使命を与
えてもいい時期に来ているのではないか?

ロシアからの選手がいる平昌冬季五輪の実現は、その小さな一歩にな
るはずである。

(敬称略)

2017年12月12日

明日香 羊
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編集好奇
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12月8日、久しぶりにバイキングに出演しました。小池都知事のボ
ート会場見直し問題で、連日出演していた時がつい昨日のような気
もするし、ずうっと大昔の気もするし・・・

坂上忍さんの名司会で今回のロシアNOC問題は、テレビとしてはそ
れなりに深く切り込めたのではないか?と思っています。

上田晋也のサタデージャーナルにも呼ばれましたが、こちらでは、
ロシアの平昌五輪参加と北朝鮮の出方を探るところに迫りました。

もうひとつ、収録はしたのですが、野村夫人の急逝ニュースで、没
に。とても精力的に話したので、いろいろな意味でとても残念です。

春日良一

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考?ご期待
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次号はvol.375です。
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コメント

  • 希な朗報

    プーチンの反応は、ここのところのオリンピズムの動きの中での
    極めて希な朗報でした。
    もしかすると、オリンピック、あるいはスポーツというものには、
    それ自身の中にすでに勝利の方程式があるのかも知れません。

    でも、バッハの方も巧みな囲碁か詰め将棋のように、極めて上手に
    かつ正直に、ロシアを詰めたのだと思います。プーチンがああ言わざるを
    得ぬところまで。

    スポーツやオリンピックでは、個人(又はチーム)>開催都市>国家
    なのだと思います。
    何故なら、個人の中には自然の栄光がありますから。その自然の栄光
    即ち“より速く、より高く、より強い”力や美を通して、全ての人類の栄光につながり

    そして神の栄光につながっていますから。

    この栄光に比べれば、国家、民族、(特定の)宗教の栄光なんて
    仮初めのものであり、集団的エゴの変形であり、連帯感や集団的興奮を
    盛り上げるための方便でしかありません。容認され、認められ得るとしても、
    個人の栄光に比べれば、純度ははるかに落ちます。

    しかし、個人として参加した人間も「from Russia」とアナウンスされるというのは、

    「国家」という政治的形態が、「地域」や「民族」という、より透明感のある集団や広がりに
    置き換えられることを意味します。
    これも見事な方便だと思います。
    「閉会式に参加できる」という提案も、まさに罪を憎んで人を憎まずのような
    大方便だと言えるでしょう。

    まさしく人類の一員として、「参加することに意義がある」のであり、その参加の
    形態が何であるかは全く二義的なことです。
    「国家」である必要はさらさらありません。特定の「宗教」である必要が
    さらさらないのと同様に。



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