オリンピックとウィルス 〜理念が現実に勝てるか?〜

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オリンピックとウィルス
〜理念が現実に勝てるか?〜

オリンピックは日常では隠れて見えない人々の思惑を透かして見せてくれる。

新型コロナウィルスの感染が拡大する中、今年5月に行われるロンドン市長選挙の立候補者ベイリー氏が19日、「われわれにはインフラと経験がある。ロンドンは、求めがあればオリンピックを再び開催できる」と自らのツイッターに投稿した。このつぶやきは、ロンドン五輪の感激と成功感を市民に思い起こさせ、自らの選挙を有利に進めるためには効果あるものだったかもしれない。しかし、オリンピズム から見れば、そこにあるのは政治だけであり、オリンピック理念も精神もない。彼が市長ならば五輪は来ないだろう。

これを受けて小池都知事は「この問題が世界の焦点になっているのは、(多くの感染者を出した)ダイヤモンド・プリンセス号が原因で、その国籍はイギリスだ」と不快感を示したが、オリンピックシティーの首長が国籍を問うのもオリンピズム からは逸脱する。

感染の収束について長引く懸念の中で、組織委の森会長は「早くコロナウイルスどっかに消し飛んでほしいな、と神にも祈るような毎日」を過ごしていると言うが、感染対策は2012年のロンドン大会にもあり、2016年のリオ五輪はジカ熱で開催が危ぶまれた経験を持つのであるから、過去の大会の実践的な対策知見を礎にさらなる知識と経験を積んでいただきたい。この場合、ウィルスに立ち向うのがオリンピズム であろう。

新型ウィルスの影響で様々な競技会の会場や日程変更そして中止が相次いでいる。オリンピック競技以外の競技団体も含め、あらゆる国際スポーツ団体が参集するスポーツアコードの全体会議が北京で4月19日から24日まで開催される予定だった。世界中のスポーツ関係者が集まり、スポーツとビジネスを語るサミットがどうなるか注目していた。この会議が来年に延期となったら、スポーツ界が新型ウィルスを極度に深刻に捉えている証で、それは五輪開催に影を落とすと見ていたからだ。しかし日程を変えずローザンヌで行うことが決まった。

まさに五輪も日程を変えずにロンドンでやればいいと思うところだが、五輪がただのスポーツ大会やスポーツ会議と違うのは、そこに平和の理念が伴うからだ。確かに五輪は総合スポーツ大会でもある。ただ勝負を競うだけの大会であれば、どこでやってもいいだろう。しかし、五輪には「より平和な世界」を作る努力が求められる。そのために民間団体が政治機構と何年もかけ、その「年」、その「都市」でなければ実現できないオリンピックを開催するのである。オリンピックは2020年に東京で開催されなければならない。オリンピック理念がウィルスの現実に勝てるか?!オリンピズム の正念場だ。

(敬称略)

2020年2月12日

明日香 羊

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編集好奇
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春日良一

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コメント

  • 「おもてなし」の中に「医療的安心」を

    ひと言で言うと、「おもてなし」の中に「医療的安心」を組み込むことだと思います。
    具体的には、
    1.選手団を派遣する各国のNOCがまず検疫してから太鼓判の選手を
     出国させる。
    2.入国審査でもしっかりと検疫を行い、陰性の選手のみを入国させる。
    3.選手村を半隔離状態にし、医師と医療施設を充実させる。
    4.オリンピック期間中の発症に関しては、各選手の自己責任、各選手団の
     連帯責任とし、マナーとして発病者は自主的に報告し退村する。
    5.「おもてなし」娯楽施設を、なるべく選手村内、ないしは近隣に充実させ
     移動はマイクロバス等で隔離的に行い、個人の自由行動は極力慎む。
    6.できれば「試合前検疫」を速やかに行い、選手の健康状態を常にモニターリング
     する。(一種のドーピング検査のように)
    7.退村時、出国時にも検疫を行い、帰国するまでは陰性であったことを保証する
     VISAを発行する。

    等々で、専門家を入れてもっと細やかに検討すれば、「オリンピズム」精神で
    乗り切ることは不可能ではないと思います。

    この度のウイルスは劇症ではないのと、若い体力・免疫力のある人の発症率は
    低いので、IOCとしてもJOCとしても、今後の実験を兼ねて、ぜひ挑戦してみるべき
    課題だと考えます。
    その意味でも、今の厚生労働省の視野は狭すぎ、能力は低すぎます。これは、
    単に中国発の疾病を封じ込めるという課題ではなく、オリンピック開催を引き受けている
    ホスト国が、まさに「おもてなし」を視野に入れて取り組むべき課題なのであって、
    その意味でももっとチャレンジングに民間を活用し、スピーディーにシステマチックに
    裁いていくべき仕事かと思います。

    「オリンピック理念がウィルスの現実に勝てるか?!オリンピズム の正念場だ。」
    と書かれていますが、オリンピズムや理念の正念場というより、はっきり「日本の」「東京の」
    正念場と、主語を明確にして考えていないからロンドンなどに付け入られるのです。
    隙があるのです。

    オリンピックはもともと戦争を中断しても、4年に一度開催されていたものでした。
    また、ギリシアは科学的な「医療」ということに最初に着目した国です。その先進性には、
    仏教もキリスト教も、はっきり遅れをとっています。
    オリンピズムと医療、この二つを両立させることは、ギリシア精神にとってもふさわしい
    ことです。医療とか、スポーツとか芸術、文化、教育は、戦争、ウイルス、衆愚政治、
    あらゆる逆境の中で行われてこそ意義があります。それは人間の生命の健やかさの
    試金石と言ってもいいほどです。
    戦争中、空襲下のベルリンで、ベートーヴェンを指揮したフルトヴェングラーのことなどを
    思います。彼の父は、ギリシアの考古学者でしたが、ここでも芸術やスポーツを神に
    隣接するものとして、崇高なものと考えていたギリシアの精神は燃えていました。



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