「いだてん」は超面白い ~NHK大河視聴率低迷を斬る~
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「いだてん」は超面白い
~NHK大河視聴率低迷を斬る~
正直な話、私は「いだてん」に期待し、初回を心待ちにしていた。
そして、初回から大ファンになった。それまで、最近のNHK大河
はほとんど見ていなかった。歴史物といいつつ、かなりの脚色が
ほどこされ、クローズアップされるのは人気の主人公とその周り
であり、そこに歴史を感じることができなくなっていたからだ。
その私が「いだてん」に期待したのは、これからの未来を築くで
あろう東京オリンピック2020を前に、その礎となった歴史的
な物語を見せてくれるのではないか?私が携わってきたオリンピッ
クとスポーツのその本道を見せてくれるのではないか?という事
であったが、その反面、これまでの大河のように史実に脚色を
施しすぎて、本物が見えなくなるのではないか?という不安が
あった。
特に今回は近い過去を歴史として取り上げるわけで、そこには
近いが故の客観化への欲求が強くなり、面白くもなんともない
物語ができたり、あるいは脚色の余り、肝心要のオリンピック
精神が歪曲して伝えられるのではないか?という不安だった。
そこで、私は敢えて「純粋五輪批判」というコラムをブログで
立ち上げ、「いだてん思考」を始めた。そして大河を見続ける
中で、脚本の宮藤官九郎のスポーツとオリンピックの視点がず
れていないこと、オリンピズムへの理解が真っ当であることを
確信した。
もしずれがあれば「批判」で当然批判するが、今のところ、
大河が所与するテーマに対して、その真意を追求する形である。
そこで今回のスポーツ思考は、「いだてん」礼賛を繰り広げる。
まず視聴率に踊らされるテレビ界の改革が重要だ。大河は、多
くの人々が常識として知っている歴史的大物を取り上げてきた
わけであり、そこには日常的安心があった。その安心に安穏と
して生きている世代に対して、新たな視点を問うているのが、
この「いだてん」であり、まさにそこがスポーツ的なのだ。
歴史的に一般が知らないスポーツ界の偉人を取り上げる。しかも
明治、大正、昭和という近過去。日常的安心も非日常的驚きも
感じにくい状況だ。そこに「いだてん」はこれまで知られてい
なかった日本人のスポーツ的部分を焦点化して、見事に見せて
いるのだ。スポーツクラブの原初的在り方の天狗倶楽部や、
嘉納治五郎のひょうきんさやスポーツ平和思想などかなりリアル
である。
金栗四三、田畑政治といった主人公が無名で、感情移入しにくい
ため興味がわかないという気持ちは分かる。それはこれまでの
大河も同様で若い世代にとっては西郷隆盛も平清盛も無名であり、
彼らは視聴率に「勘定」移入されていないだろう。つまり、この
「いだてん」には今までの大河を変える起爆剤が含まれている
ということだ。金栗や田畑がどうして凄いのか?!をテレビを
見ながら感じることを求めているのだ。
明治、大正、昭和が舞台で、これまでの大河フアンが望む歴史
ロマンが足りないが、実際、今は令和となり、これからの時代
は明治、大正、昭和を歴史的ロマンとする世代に移行するので
ある。赤穂浪士、太閤記、太平記、平家物語などにロマンを感
じるそのロマンとは誠にステロタイプなものではなかったか?
典型的の何がロマンだ!と言いたいくらいだ。
そこに大河のマンネリズムがあったのではなかったか?大河の
「これから」を考えれば、明治、大正、昭和にロマンを感じる
ように作っていいかなければならない。そのくらいの危機的
時代に入っている。
宮藤官九郎はなかなかである。ビートたけしに落語家、古今亭
志ん朝を演じさせ、これをナレーターとして、明治、大正、昭
和を行ったり来たりする展開は、まさに歴史のスピーディな
ブレンドであり、まさにスポーツを感じる部分である。ゆっくり
お茶を飲んで、画面を評価するタイプには確かに向かない。
視聴率を気にするNHKが脚本の修正をしないかと気が揉むとこ
ろ、未来の大河を考えるのであれば、宮藤官九郎の挑戦をさら
に応援してもらいたい。
これまでスポーツは芸能よりも下の位置に置かれていたのでは
ないか?その芸能も実はずっと文化の下の位置にいたのである。
オリンピックが復興してまだ125年しかたっていない。しかし、
これからの時代に「新た」を求めるのならば、スポーツではな
いか?
2020年に東京五輪が来なければ生まれなかったであろう「いだ
てん」である。だからこそ、ここはひとつスポーツを信じて、
NHKも「いだてん」にかけるべきだろう。
中村勘九郎はじめ出演者たちの熱演ぶりは凄い迫力である。
スポーツを感じるほどだ。視聴率に遠慮する必要はない。
視聴率アップの秘策はある。
その一つは「いだてん」の見方を教授することである。
「いだてん」はスポーツ観戦のように虚心坦懐で見るべし。
展開が早いので心を無にしてボールを追いかけるように見る。
そしてもう一つは
毎回番組のエピローグにある「いだてん紀行」である。
ここでオリンピズムを解説することである。
物語がこれまでの大河を超えようとしているのだが、
「紀行」はそうではない。
オリンピズムの伝道師「春日良一」の出番だと思うのだが。(笑)
「いだてん」にはNHK大河の未来がかかっている。
(敬称略)
2019年5月13日
明日香 羊
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編集好奇
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日刊ゲンダイでの連載!ご高覧ください。
「実践五輪批判~20年東京五輪これでいいのか?~」
第四話は5月23日掲載予定。
NHK大河「いだてん」を思考すると題して始めたブログ
「純粋五輪批判」も第四話まで来ました。
https://genkina-atelier.com/gorin/
哲学者カントの純粋理性批判と実践理性批判から拝借
「実践」では実際に五輪がオリンピズムを実現しているのかを批判
「純粋」では大河を触媒にオリンピズムの本当を解説
スポーツ思考ともどもご愛顧のほど
春日良一
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考?ご期待
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次号はvol.401です。
(1998年からの400号に到達!次は500号を目指し)
スポーツ思考
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NHK大河「韋駄天」が扱う五輪運動について
カントの純粋理性批判ならず「純粋五輪批判」
もご覧ください。
https://genkina-atelier.com/gorin/
ゲンダイ「実践五輪批判」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/3625/
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